燗酒のススメ

居酒屋で「あつかん」と表現して、温めた日本酒を出したりしていますが、

「あつかん」は温める温度帯の事であって、

温めた日本酒のことを

燗酒(かんざけ)

お燗(おかん)

と言います。

ちなみに、「常温」の日本酒を『冷や』とも表現します。

日本酒の種類の書いてなかったメニューで、

「日本酒の『冷や』ください」

と注文して、冷蔵庫で5℃ぐらいに冷えた「冷酒」が出てきたこともありました。


人間の味覚や嗅覚は、温度によって様々に変わってゆきます。

日本酒を温めることで、一般的には

■ アルコールはスッキリ感じる

■ 香りは拡がる

■ 甘味は強くなる

■ 旨味を感じやすくなる

■ 酸味は丸く感じる

■ 苦みは柔らかくなる

■ 味わいがまろやかに感じる

の傾向があります。

もちろん、例外もあります。


よく「吟醸酒」「大吟醸酒」は冷やして飲んで、

「純米酒」「本醸造酒」は温めても良いと言われます。

私個人的には、

どんな日本酒でも温めて飲むと味の変化もありますし、

新しい発見があるので、

熱燗にする機会があればチャレンジすることを薦めています。


「山廃造り」や「生酛造り」はやや酸味が強いものがあるのですが、

『ぬる燗(40℃)』『上燗(45℃)』ぐらいに温めるだけで、

まろやかに飲みやすくなることがあります。


いろんな日本酒を燗酒にすると、自分の好みも分かりますし、

冷酒で出てきても、

「これ温めても美味しいかもしれない」

と感じることも多くなります。

そんな時は手のひらで温める事もあります。


燗酒は冬だけでなく、

春や夏しか出回らない日本酒もありますので、

季節関係なく試してみる価値があると思います。


もし、燗酒が出来るお店があれば、

お店の方にお任せすると、

美味しい燗酒に出会えるかもしれませんね。

太田が日本酒を巡る旅

年間500種類以上を飲んでいるチーム株式会社 太田泰史が、日本酒の魅力を伝えられれば、嬉しいです。 飲んだことない方も、日本酒が好きな方も、参考にして頂ければ幸いです。