日本酒の材料となる酒米は、正式には
『酒造好適米』『醸造用玄米』
と呼ばれます。
食用の米と異なる、酒米の性質は
1.精米しやすい
精米歩合70~50%まで削っても、割れず、大粒でしっかりしている。
2.タンパク質が少ない
タンパク質は日本酒の旨味になるが、多すぎると雑味の原因になる。
3.吸水性が良い
割れたりせず、目標とする吸水率に調整しやすいことが、良い蒸し米の条件となる。
4.麹が育成しやすい
柔らかく、保湿性があり、菌糸が食い込んでいきやすいものが良い。
5.糖化されやすい
麹菌の生み出す糖化酵素が程良く働き、酒母のなかで糖化速度が管理しやすいもの。
6。醪(もろみ)に溶けやすい
蒸し米が外硬内軟に仕上げやすい反面、醪の中では溶けやすいものが良い。
(参考:木村克己著「日本酒の教科書」(新星出版社))
と、酒造りをコントロールしやすいものが好まれます。
酒米の生産量は、お米全ての生産量の2%です。
そのうち、山田錦、五百万石、美山錦が75%程度を占めます。
(引用元:日本酒コンシェルジュ通信 — 酒米を銘柄別で見ると山田錦、五百万石、美山錦で7割近くに)
山田錦
酒米の40.1%生産されている、人気の酒米です。
背は高く倒伏しやすく、病気にも弱くて生産が難しいところもありますが、
大粒で心白が大きいので、高精米が可能で、
杜氏の意図したお酒を造りやすいので重宝されています。
「山田錦のお酒が好き」
と言う方も多いです。
五百万石
生産量が2位で、27.5%が生産されています。
元々生産量1位でしたが、2001年に山田錦に抜かれました。
それでも人気の酒米です。
心白が大きいが、50%以上の高精米は困難で大吟醸酒には不向きだが、
麹が作りやすいので好まれています。
淡麗で綺麗な酒質が見込めます。
美山錦
生産量が3位で、8%生産されています。
耐冷性が強く、長野県や東北地方を中心に栽培されています。
心白も大きくなります。
なめらかでさっぱりと切れの良い酒質が特徴です。
(参考:副島顕子著「酒米ハンドブック」(文一総合出版))
酒米の品種は100種類程度あります。
地元米を使って、特徴のあるお酒も増えてきました。
雄町
出羽燦々
八反錦1号
など、飲み手に人気の酒米も多くあります。
個人的な印象としては、
同じ酒米でも、酒蔵によって様々な味わいの日本酒があります。
同じ酒蔵でも、酒米によって表情を変えます。
酒米縛り、酒蔵縛りで、飲み比べをすると楽しいですよ。
チーム株式会社
太田泰史
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